遺言によって遺言を執行する人が指定されていないとき、または遺言執行者がなくなったときは、家庭裁判所へ申立てをすることにより、遺言執行者を選任してもらうことができます。

たとえば、不動産を遺贈するとの遺言があるもの、遺言執行者の指定がされていなかったとします。遺言執行者がいない場合に、遺贈による所有権移転登記をするには、遺言者の相続人全員から登記手続きに協力してもらう必要があります。

しかし、遺言者の相続人全員から書類に署名押印をもらい、さらに、印鑑証明書の提出を求めるのは難しいこともあるでしょう。そのようなときでも、家庭裁判所に申立てをして遺言執行者を選任してもらえば、相続人の協力を得なくとも遺贈による所有権移転登記をすることができます。

なお、不動産の「遺贈による所有権移転登記」をするために遺言執行者選任申立てをする場合、申立人である受遺者が自分自身を「遺言執行者候補者」として申立てをすれば、その通りに遺言執行者が選任されるのが通常だと思われます。

遺贈による所有権移転登記、および遺言執行者選任の申立ての手続きについては司法書士にご相談ください。松戸の高島司法書士事務所でもご相談・ご依頼を承っておりますので、事前にご連絡のうえご相談におこしください。

1. 遺言執行者選任の申立てをする場合

遺言執行者が就任するには次の方法があります。

  1. 遺言者が、遺言により遺言執行者を指定する。
  2. 遺言者が、遺言により遺言執行者の指定を第三者に委託し、その委託を受けた人が遺言執行者を指定する。
  3. 利害関係人の請求により、家庭裁判所が遺言執行者を選任する。

1,2の方法については、遺言者が生前に行うものですから、相続が開始してから遺言執行者が必要になった場合には、3の方法、つまり家庭裁判所に遺言執行者選任の申立てをすることになります。

ここでいう利害関係人には、相続人や受遺者(遺贈を受けた人)も含まれます。したがって、受遺者自身が自分のために遺言執行者選任の申立てをおこなえるわけです。

なお、家庭裁判所への遺言執行者の選任申立は、遺言執行者がいたが、辞任、解任、死亡、破産手続の開始決定を受けた場合にも、あらたな遺言執行者の選任を求めて行うことができます。

2. 遺言執行者になれる人(欠格事由)

未成年者及び破産者は、遺言執行者となることができません(民法第1009条)。それ以外の制限はありませんので、相続人や受遺者が遺言執行者となることもできます。

遺言書を作成する際には、相続人や受遺者を遺言執行者に指定することが多いですが、弁護士や司法書士といった法律専門家を遺言執行者にすることもできます。

3.遺言執行者選任の申立手続

遺言執行者選任の申立ては次のようにおこないます。司法書士にご依頼くだされば、申立書(家事審判申立書)の作成だけでなく、必要な戸籍謄本、住民票等の収集もおまかせいただけます。また、裁判所への申立ても司法書士が代わりにおこないますから、申立てのために裁判所へ行く必要もありません。

利害関係人(相続人、受遺者、相続債権者など)

相続開始地(遺言者の最後の住所)の家庭裁判所

遺言執行者選任の申立てには次のような書類が必要となります。

  • 家事審判申立書(遺言執行者選任)
  • 遺言者の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
  • 遺言執行者候補者の住民票または戸籍の附票
  • 遺言書写しまたは遺言書の検認調書謄本の写し
  • 利害関係を証する資料(親族の場合には戸籍謄本など)
  • 収入印紙(800円)、郵便切手